青函トンネル内空断面の計測にDimetix社製レーザー距離センサーが使われました

 2022年12月上旬、鉄道・運輸機構殿、鉄道総研殿立会いの下、ジェイアール総研エンジニアリング殿と共同で青函トンネルの内空断面の計測を行いました(図1)。

 今回の計測では、スイスDimetix社製レーザー距離センサーと回転機構とを組み合わせた「断面測定器」を使用しました(図2)。この「断面測定器」は、トンネル内空断面の形状に沿って連続的に測定する仕組みとなっており、①測定精度が±1mm以内であること、②軌道短絡しない絶縁構造であること、③充電式バッテリーで動作し、発動発電機が不要であること、④人力により容易に持ち運び可能であること、などの理由により青函トンネル本坑での計測に至りました。

 現地では、点群間隔10mm以内の設定とし、2回の夜間作業において計4断面(計33測線)の計測を行いました。限られた時間内での計測でありましたが、大変満足のゆく結果が得られたとのご評価をいただきました。

 計測した高精度な2D点群データは、今後、青函トンネルの維持管理において様々な場面で活用されるものと期待されます。また、「断面測定器」はトンネル内空の断面形状を精度よく計測するため、外力による断面変形の有無、変状の進行性の把握、トンネル施工時の計測など、定量的なデータを得ることができるものと期待されます。

図1 内空断面の計測状況
図2 断面測定器